立教SPCブログ

立教大学フリーペーパーサークルSt Paul`s Campusのブログです。

ブックレビュー「草枕」

こんにちは。この春3年になる谷村です。107号ではブックレビューを一部担当させていただきました。

夏目漱石の「草枕」というと、日本では誰もが知る名著ですが、名前を聞くだけで読んだことは無いという方も意外と多いのではないでしょうか。

私自身、学校の授業で冒頭部分を習ったくらいで読んだことはありませんでした。そんな中、今号でブックレビュー担当となり、始まりの季節、旅、思索といったキーワードから草枕に挑戦することに。

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この作品は、特殊な状況下で事件が起こり、主人公が困難に立ち向かっていく…といった劇的な起承転結はなく、主人公が旅をしながら淡々と思索を続ける話です。
休日にはっきりと行き先を決めずに出掛け、行き交う人々や風景を何とはなしに観察する…。
草枕には、そんな何気ない心の動きが表現されていますが、時に鋭い洞察に驚かされもしました。この春、草枕を読んでのんびり主人公の思索を辿ってみるのも良いかもしれません。

普段なかなか読まない本を選んだことで好みの幅が広がった気がします。
SPCの誌面を通して、今まで知らなかった人や物との出会いを得ていただければ嬉しいです。